これが私の人生です。12
翌日
動物病院へ行き、昨日の症状や様子、持病のことなどを獣医に説明しました
MRIなど精密検査をした方がいいと言われ、1日検査入院することに
「 検査は今から始めますが、検査前に飼い主さんがいなくなったらわんちゃんも不安になるので、麻酔が効いてから退室してください 」
そう言われ、少しの間その場にいることになりました
全身麻酔の注射をし、横になってみるみるぐったりしていく犬
目はぼーっとしていて、口も半開きになり舌がダラーンとなっていました
私は全身麻酔をした経験がなく、どんな感覚になるのか分かりませんが、した人曰く
" 全身の力が抜けて、だんだん眠くなるだけ "
そう聞いたことがあります
なので、犬も今そんな状態で眠くなっていってるんだろうなと頭で理解していました
でも力なくダラーンとしていて、目も虚ろ
このまま死ぬんじゃないか
そう思ってしまうくらいにぐったりした様子で横たわる犬に、私は泣きそうになりました
目をほぼ閉じて、半分意識がない状態になってから病院を後にし、帰宅しました
シーンとした家の中
いつもなら、玄関のドアを開けるとすぐそこで嬉しそうに飛び跳ねて私を出迎えてくれる犬
私が台所や洗面所に向かえば、どこ行くの?と言わんばかりに後ろをついてくる犬の足音
お腹が空いた時、おやつちょうだい!ごはんちょうだい!おなかペコペコだよ!と吠える犬の鳴き声
かまってほしい時、近くに寄ってきたり私の足の上に乗ってきたりした時に感じる犬の体温
日常に溶け込んでいた光景や音、ぬくもりがぱったりとなくなりました
別に死んだわけじゃない
今だって病院で寝ているだけ
そう分かっていても、突然なくなった犬の存在にとても苦しくなりました
動物病院に行ったのは午前中だったので、午後から学校へ行くこともできましたが精神的に参ってしまい、そのまま休むことに
もし難病にかかっていたら?
もし余命がもうすぐだったら?
そんな不安が1日中ずっと頭の中にあり、その日はなかなか寝つけませんでした
そして次の日、再び動物病院へ
そこで獣医に言われた言葉に、私の心はえぐられました
13へ続く